アトピー性皮膚炎
皮膚のバリア機能が低下し、乾燥しやすく、刺激に弱い敏感肌の状態があり、かゆみのある湿疹がよくなったり、悪くなったりを繰り返す病態で、アトピー素因といって、IgE抗体を産生しやすい体質があります。
赤ちゃんや小児の場合
1.小児科などでキンダベートやロコイドを処方されている場合は一旦休薬していただきます。最初からステロイドは使用していません。
2.ベビー用であっても、石けんやシャンプーを使用しないで、ぬるま湯で洗っていただきます。皮膚のバリア機能に重要な皮脂による表皮表面のカバー力を回復させるためです。皮脂腺や汗腺から分泌される体液には、IgAという免疫グロブリンが含まれています。界面活性剤などで皮脂を洗い流すことによって、IgAが少なくなると、細菌や真菌に抵抗できなくなると推測しています。
3.授乳中のお母さんは、揚げ物や乳製品(牛乳、ケーキなど)の摂取を控えていただきます。
4.断乳後のお子さんでは、揚げ物や乳製品を与えることを控えていただきます。
5.亜鉛華軟膏と抗生剤(アクアチムクリームなど)、抗真菌剤(アスタットなど)の混合軟膏を1週間塗布して、増えすぎた菌を抑制し、保湿を徹底することによって皮膚表面の皮脂の回復を図ります。
6.乾燥しやすい方は、ヒルドイドやプロペトを塗布します。
7.かゆみは抗ヒスタミン剤の顆粒を内服していただき、夜中にひっかかないようにします。
8.これで、治らない場合は、ステロイドの併用使用を検討します。