眼瞼下垂 下がりまぶた まぶたのたるみ
治療
根治には手術が必要です。目の真上での手術になりますので、緊張されると思います。まぶたに痛み止めのシールを張ったり、BGMを聴きながら、ゆったりした環境で手術を行います。ご希望で鎮静剤注射も追加できます。
まぶたの形が変わると、がらっと印象が変わりますので、できるだけ元の形に近づけるように努力しています。二重なら二重。一重なら一重のままにしたいところです。美容的な二重のための手術ではありませんので、あらかじめご了承ください。
上まぶたの切開は全長3.5cm前後になります。たるんだ皮膚を4,5mm幅で切除し、皮膚直下の眼輪筋も帯状に除去します。硬くなってしまった眼窩隔膜を上手にはがし、上部で切り開らいて、ひっくり返し、眼窩脂肪と腱膜がはっきり見えるように展開します。この腱膜と上まぶたにある瞼板を細くて丈夫なアスフラックス糸で縫合固定すると、上眼瞼挙筋の動きが瞼板にスムーズに伝わり、楽にまぶたが上がるようになります。
(糸はポリプロピレン糸からアスフラックスへ変更しました。)
★2つの改善点★
術後の内出血が多いことや、一重の方が二重になることに抵抗がある方が多いことを鑑み、当院では以下のような改良術式を行っています。
眉毛下アプローチ
2011年3月より、一重の方やきれいな二重が残っている方には、眉毛下よりアプローチして、できるだけ元の形を損なわないで、まぶたを挙がりやすくする術式を開発しております。一重のままや元の二重を損ないたくない方は是非ご相談ください。
片側ずつ手術
片眼ずつ手術することで、術後圧迫と出血のドレナージがきちんとできるようになり、術後の内出血と腫れを非常に減らすことができるようになりました。
総合病院では両目を手術して、術後圧迫のため入院できますが、クリニックでは入院できませんので、両目をしっかり圧迫することはできません。そうすると、内出血による紫色になったまぶたが長く続くことになります。
片目ずつ手術することで、完全に片目を被って、圧迫できるので、内出血がほとんどなくなり、腫れの引きも非常に早くなるようです。ただし、両目の開きの調整がやや難しくなりますが、クリニックでは安全を期して片目ずつの手術がよいだろうという結論に達しました。友人である大阪のこまちクリニック院長の方針も参考にさせてもらいました。
保険診療について
単に頭痛と肩こりがひどいだけでは、まぶたの手術を保険診療で行うことはできません。まぶたのたるみで瞳孔が半分ふさがり、視野障害がある時に、保険診療で手術することができます。したがって、片側のみ下垂がひどい場合で、両側の手術をご希望される場合は、ひどい側は保険ですが、正常側は自費扱いになります。あらかじめ、ご了承ください。
連携について
信州大学形成外科松尾教授に師事しております。