けが(切り傷、挫創、切創) すり傷(擦り傷、擦過傷)
傷をきれいに治すスペシャリスト 《形成外科》
自宅で転倒して、テーブルやたんすの角におでこをぶつけてしまうことはよくありますね。屋外で転倒して、コンクリートの角におでこをぶつけてしまうと、砂粒やアスファルトの破片が傷に入り込むことがあります。このような傷は、皮ふが挫滅して、押し切られています。傷縁が薄くなり、ぎざぎざになっています。これをこのまま縫合すると、傷が化膿して、治りが悪かったり、傷あとが盛り上がって赤くなりやすかったりします。そこで、形成外科専門医の技が必要になります。
お子さんが怪我をされて、傷あとがご心配なら、是非ご相談ください。船橋近郊であれば、救急対応もいたします。 (ただし、営業時間を過ぎてしまった場合は、お電話をいただき、翌日受診してください。その場合は近医で縫ってもらわないで、消毒して、ガーゼをあてて、受診してください。縫合処置が翌日になっても大丈夫です。)
デブリードマンと真皮縫合
挫滅した傷の救急処置
泥で汚れた組織や強い力で押しつぶされた(挫滅)された組織をきれいに除去することをデブリードマンと言います。5㎜程度傷痕は長くなりますが、細菌感染(化膿)を防ぎ、きれいに治すために必要な処置です。先端が鋭利なメス(11番メス)の先端で押し切るように、創縁から1,2mm離して、きれいに切り直す必要があります。11番メスを使用する理由は、フワフワして不安定な創縁を正確に切ることができるからです。15番メスだと、丸みを帯びているため、創縁を押すと、皮膚が逃げて、切ることができません。
それから、皮ふの裏にある真皮を縫合して、傷を閉鎖します。そうすることによって、感染を防ぎ、創傷治癒機転がスムーズに起こり、きれいな瘢痕組織を導くことができます。これぞ、形成外科の極意です。一般的には挫創は真皮縫合しないとされていますが、汚染された創縁をきれいに除去すれば、真皮縫合しても感染は生じません。
切れていない擦り傷(擦過傷)でもきれいにブラシで汚れを落とすことがとても大切です。局所麻酔を行い、生食で洗いながら、歯ブラシでこすります。 細かい泥やアスファルトの破片が皮下に残ってしまう外傷性刺青(いれずみ)を防ぎ、傷あとがきれいに治ります。
小さいなお子さんでもできるだけ痛みを感じないように配慮すれば、傷をきれいに縫ってあげることができます。ただし、泣き叫んでパニックになったお子さんは押さえつけることは仕方ありません。