緑と黄色のダブルレーザー
なぜ、肝斑に効果があるのか?
肝斑は表皮基底層に分布するメラノサイトが女性ホルモンや紫外線の刺激でメラニンを過剰産生した状態と言われていますが、韓国の延生(よんせい)大学皮膚科グループの研究結果によると、肝斑の部分の真皮には毛細血管が豊富に分布していて、血管内皮細胞で産生される血管増殖因子がメラノサイトからのメラニン分泌を促進しているのではないかという仮説を証明しました。
真皮内の血管が染まっている。
血管増殖因子(EGF)が染まっている。
この根拠に基づき、デュアルイエローレーザーで血管をターゲットにした治療を行うことによって、肝斑の色調が改善するということがわかりました。578nmの黄色レーザーを弱めに照射することにより、真皮内毛細血管にもダメージを与えると、メラニンの茶色の色調が薄くなるという結果を得ています。
赤色のヘモグロビンは578nm付近に吸収波長があり、イエローレーザーと一致する
なぜ、炎症後色素沈着がないのか?
デュアルイエローレーザーの特徴は、緑と黄色のレーザーを混合することができることです。メラニン色素に熱変性を起こさせると同時に、血管にもダメージを与えることで、炎症後色素沈着がほとんどない治療が可能になります。混合できる割合は現在のところ、緑10:黄90 もしくは 緑50:黄50 の2通りになります。茶色の色調により使い分けています。
メラニンの吸収波形と511nm、578nmの関係
2波長同時照射
また、炎症後色素沈着に対して、578nmの黄色レーザーのみを照射すると、色調が改善することがわかっています。
なぜ、いぼに効果があるのか?
ウイルス性のいぼは、隆起した表皮内に真皮の毛細血管が入り組んだ構造になっています。この毛細血管を578nmの黄色レーザーで焼灼することによって、いぼを根治することができます。
なぜ、にきびに効果があるのか?
にきびの原因のひとつに皮脂腺からの皮脂の過剰分泌があげられます。この皮脂にはポルフィリンが多く含まれています。578nmはポルフィリンにも吸収波長が一致するため、黄色レーザーを照射すると、にきびが早く消えてきます。
ポルフィリンの吸収波形と578nmの黄色レーザー
にきびに対する578nm照射による治療
アダパレン(商品名ディフェリン)やケミカルピーリングでも効果が少ない頑固なにきびには、デュアルイエローレーザーが次の選択肢になると考えられます。
デュアルイエローレーザーの適応できない皮膚病変について
色素が真皮深層に分布している病変
1.異所性蒙古斑
2.太田母斑
3.刺青
以上の病変は除去できません。
トレーニングについて
設定や照射方法の自由度が高く、安全域が狭いため、トレーニングが必要です。
トレーニングを受けないと、熱傷や炎症後色素沈着など合併症の頻度が上がります。
船橋ゆーかりクリニックではこれから導入するかどうか検討されているクリニックの院長先生の見学を歓迎します。